2019/07/06Dearファッション#3 :【基本】「ブランドコンセプト」を知る

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拓馬北河

拓馬北河早稲田大学文学部4年

早稲田大学文学部4年生。文学、音楽、映画、ファッションなど多くのカルチャーに興味を持っている。卒業論文より記事の執筆に夢中のようだ。卒業後はファッション産業へ身を投じることを決心している。

コンセプトを理解してさらに深める。

全てのブランドには「ブランドコンセプト」なるものが存在する。それはブランドがクリエイションを持って実現したいことや、ブランドそのものの存在意義を示すメッセージのようなものだ。コンセプトがなければ、ブランドとしての一貫性を保つことが難しい。逆にコンセプトがあれば、デザイナーが変われど、また時代が移り変われど、哲学に沿ったプロダクトを生み出し続けることができる。「ブランドコンセプト」を知ることで、また一つファッションの楽しみが増えるはずだ。ラグジュアリーブランドからデザイナーズブランドまで、次の判断基準でピックアップし紹介する。

1.ブランドコンセプトが明言されている
2.デザイナーが変わっても一貫したコンセプト提示
3.早大生にも名が広く浸透している

いってみよう。

・Louis Vuitton(ルイヴィトン)

「旅を楽しみ、人生を楽しむモノ作り」

ヴィトンといえば、やはりバッグ。多くの女性があのモノグラム柄をチラつかせながら街を歩くことを夢見るはずだ。(ど偏見だがあしからず)
トランク工場として創業されたヴィトンは旅行鞄に並々ならぬこだわりを持っている。トランクはもちろん、定番アイテムであるキーポル(ボストンバッグ)は多くの人の相棒として世界中を飛び回ってきた。主人の大切なものを守り、旅をより華やかにする。ヴィトンはそんな使命をこれからも果たしていくのだ。

・Hermes(エルメス)

「私どもは最高品質の馬車を用意致しますが、それを卸すのはお客様ご自身です。」

このコンセプトはブランドロゴにありありと示されてる。ロゴに描かれてるのは馬車、馬、そして従者。
あれれ、肝心な主人が不在だぞ。まだ来ていないなぁ、コーデに悩んでるのかなぁ? ではない。
エルメスの仕事は「最高のモノ」を生み出すこと。それを使用するのはあくまでも「お客様」なのだ。ユーザーの主体性を尊重すると同時に、「大切に使って下さい」という想いも込められている。馬車でどの道を行くかはご主人様次第ですからね、と。
ご主人様になりたいもんだなぁ。

・LEMAIRE(ルメール)

「一生永く着られる服」

私がもっとも好きなブランド「ルメール」。コンセプトが強く表出されたブランドであるため、「デザイナーが変わっても」の判断軸にはそぐわないが紹介させて欲しい。
当ブランドはクリストフ・ルメール氏(ジョッキーではない)が1990年に設立したものである。2015年にUniqlo Uのデザイナーに就任したことで、日本での知名度をメキメキとあげている。彼の辞書に「流行」という文字は存在しない、は言い過ぎだが、非常にベーシックでタイムレスなワードローブを提案する。彼は人の生活における動き(歩いたり、座ったりと)を考慮し設計している。そのため、彼の服を身につけた人は常に美しい自分を街中で発見することができるのである。SNOWや砂茶よりも確実に盛れる。ファッションは流行があるからおもしろい。が、流行に捉われず自分の哲学をファッションで実現しようとする彼のようなクリエイターを私は「イケてる」と感じるのだ。

・ISSEY MIYAKE

「一枚の布」
 「身体とそれをおおう布、その間に生まれるゆとりの関係を根源から追求する」

コムデギャルソン、ヨウジヤマモトとともに日本のファッション界を長年牽引してきたイッセイミヤケ。ブランド創設者である三宅一生は一本の糸から研究し、他ブランドの追随を許さない生地作りを続けてきた。代表作は、ブランドの代名詞とも言える「プリーツ」。伸縮性があるため、どの体型の人にもフィットし、流れるような縦皺は着る人のシルエットを美しくする。きっとあなたは自分の横姿に惚れるであろう。ブランドコンセプトを体現したクリエイションである。三宅氏の引退後もその精神と哲学は受け継がれ、生地の可能性を追求し続けている。

・今持っているブランドについて調べてみてはいかが?

「ブランドコンセプト」は必ずしも明言されている訳ではない。が、それは必ずプロダクトに表れる。流行り廃りが激しく、生き抜くことが難しいファッション業界で名を馳せているブランドであれば、揺るがない一本の軸があるものだ。なんとなく好きで買っているブランドのコンセプトを調べると自分の価値観と似ていた、なんてことも。これは少しイキり過ぎてしまった。口調を変えてみたらこうなったんだ、仕方がない。ではまた。

・編集長コメント

4年前GUCCIのGUESSに対する訴訟は大事となり、また昨年リメイク品を販売していた日本のラッパーでもあるJUNKMANIAにLOUIS VUITTONが勝訴しました。この訴訟合戦は今に始まったことではなく、一流ブランドはその価値を保つべく粉骨砕身であることが明らかですね。一度積み上げたブランド力によってマーケティングよりも確実により高い利潤を積み上げられるからですね。   
一方、セレブや業界内に向けて維持したブランドコンセプトと、それに憧れるミーハーpeopleへのマーケティングを明確に分けているのも事実。粗悪なTシャツにブランドロゴをペッと貼っつけてる、みたいなやつです。昨今のアジア系のモードストリートの盛り上がりに対応し、メーカー側も明確にターゲティングしているようです。
 
個人的には、19SSのLOUIS VUITTON、ヴァージルに変わってあのプロダクトを取ってもコンセプトが一貫しているとみるのか、筆者には聞いてみたいところ。

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