2019/08/19Dearファッション#5:ダメージデニムは何故かっこいいのか?脱構築主義の観点から紐解く

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90年代「グランジファッション」

ダメージデニムを語る上で外せないのが、なんといってもグランジファッション。グランジファッションとは、擦り切れたシャツやカーディガン、穴の空いたデニムやスニーカーをあえて着ることである。元々はお金のない貧民層が仕方なしに着ていたようなファッションである。1990年代にカート・コバーンやケイト・モスなどがボロボロのデニムを履いたりしたことがきっかけで、一大ブームとなった。
最近、若者の間でダメージデニムを履いている人をよく見かけるし、かなりカッコいい。しかし源流を辿ってみると案外、20年以上も遡るのは意外なのではないでしょうか?

グランジファッションと脱構築主義

前項で話した通り、90年代にグランジファッションは大流行した。しかし、それだけがグランジファッションが昨今まで続き、定番となるまでに至る原因ではないのだ。そこには脱構築主義というものが潜んでいる。90年代に活躍したマルタン・マルジェラやマーク・ジェイコブスなどのファッションデザイナーは、既存の形を崩したコレクションを発表することで、ファッション世界の伝統や絶対的真実に対抗した。所謂、デコンストラクションデザインというものである。そうすることで、既存のデザインプロセスに疑問を投げかけ、解明することでファッション界に新たな価値観を植え付けることに成功したのである。また、既存のものとはかけ離れた手法をとることで彼らは個性を発揮し、唯一無二のコレクションを展開していったのである。

前にも語ったと思うが(Dearファッション#4:【ブランド物ってコスパが悪い?】真にコスパの良い浪費とは。を参照)、ファッション界はトップダウンなものである。流行は原宿で作られるのではなく、モード界(パリの先端ファッションなど)で発表された新たなものが拡大解釈され、一般層まで広まって流行となるのである。つまり、グランジファッションは彼ら90年代を駆け巡ったファッションデザイナーがモード界の常識をひっくり返すことで、現在まで続くブームになったのである。

ジャック・デリダの脱構築主義

そもそも脱構築主義ってなんだろう。そう思った読者の方も多いと思う。脱構築主義の原点を辿っていくとジャック・デリダというフランスの哲学者に行き当たる。脱構築は、中国の思想である「対極」によく似ている。相反するものの中には、お互いの要素が入っているということである。これをファッションに当てはめて考えてみると、伝統を踏襲したファッションとグランジファッションという一見相反するものの中にもお互いの要素が含まれているということです。既存のファッションとグランジファッションの構築を脱し、それぞれの中に新たな要素を見出す、それがまさに脱構築です。このように、それまでに構築された意味を脱することが「脱構築」なのです。

さあ、原点を探る旅へ

普段なんとなく「かっこいいな」と思って着ている服もその意味や源流を調べてみるとかなり面白い事があります。脱構築主義とダメージデニムなんか普段は意識しないと思いますが、その意味や成り立ちを知ってみると新たな境地に立てるかもしれません。

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