2019/07/24【強制退店】早稲田の大人気店「武道家」炎上が孕むある問題?

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智朗手塚

手塚智朗早稲田大学商学部4年

1997年7月17日 北海道出身 早稲田大学商学部。中学時代、バスケ部の部長として“孤立”をした経験から「個の価値観」について興味を持つ。主に人材×ITの領域で就職活動を行っていた。現在は「面白い男になる」という生き方の軸を追い求め休学を決意。3人の友人の協力のもと早稲田特化型メディア『わせディア』を立ち上げる。中学生時代から約10年のヒップホップ愛聴家。

早大生密着型ラーメン店「武道家」が炎上

7/25日のランチを過ぎた頃、一人の早大生のツイートから騒動は始まった。
本人がひどく癪に触っているから引用は控えるが概ね次のような内容だ。

「食券を買って店内で提供を待っていたら、『ムカつくから』という理由で退店勧告を受けた」

店側もすぐにTwitter上で反応。
現在は削除しているが言い分としては、

「こちらが注文を聞き返したことによって、お客さんの機嫌が悪化。その後ずっと睨めつけてきたため退店をお願いした」
というものである。

多くの早大生の注目を集める武道家のトラブルということで、眠れる「えんじの悪魔」たちの感情/ロジック論争が勃発。
論点は今回の退店勧告の範疇を超え、「武道家」という店舗の体質問題に移って行く。

今回は
・早稲田で大手サークル、急成長サークルに所属するイケてる方たちに
・自分の組織について考えるきっかけを

と思って、
この武道家炎上問題を転用させてもらおう。

そもそも「武道家」って…

言わずと知れた、早大生御用達の横浜家系ラーメン店。
マイルストーンさん調査のラーメンランキングでも、強豪ひしめくこの高田馬場エリアで常にトップをひた走るほど早大生からの信頼は厚い。

私もできるだけ混まない時間を狙っていつも入店するが、武道家にはアイドルという概念がない。開店から閉店までほとんど途切れることなく早大生が並んでいるのである。

「…っせっっええええいい!!!!」
特徴は店内の雰囲気にも。入店したら、屈強な男たちの野太いんだか、甲高いんだかわからない叫び声で迎えられる。激しめのお店である。
武道家で働くことは早大生の一つのステータスのように感じられる。
当メディア「わせディア」がよだれを垂らしてオファーするような早稲田の「異端児」がゴロゴロ働いているのである。
※「わせディア」は異端児をフィーチャーするメディアになってゆきます

今回の炎上の論点の行く先はいかに

さて、話を炎上騒動に戻そう。
今回の「退店騒動」は燃え上がるきっかけにすぎなかった。
武道家という店舗の体質に自然と話は移っていったのだ。

脚光を浴びる対象がぐらついたら、ここぞとばかりに湧き出て普段のやりきれない自分の正当化とばかりに攻撃する、そんなチキンネット弁慶はさておき、
武道家と長く付き合ってきた早大生達はその店舗体質の変化に警鐘を鳴らしている。

盛り上がったコミュニティに起こりやすい「うちわ現象」

その警鐘というのが一言で言うところの「うちわ現象」である。
これは致し方ない部分がある。というのも、ある世界線が盛り上がりを見せる過程で、うちわ化は避けて通れないと思うからだ。

そもそもうちわは悪い文脈で使われるばかりではない。コミュニティが盛り上がる過程を説明しようと思う。このしょーもない図を見て欲しい。

なんとも自分のイラストレートのセンスのなさには辟易するばかりであるがそこは目をつぶって欲しい。
青い丸で囲ってある内部がコミュニティである。
うちわはコミュニティ内部の人物間に共通言語をもたらし、カルチャーを作っていく。カルチャーが言語と紐付いて醸成していく中で内部の純度は一層高いものになり、そこに所属する個人のエンゲージメントが高まる。その結果、個人が魅力を外部に伝えることを始め、新しい人間の流入が進む。昔からライブに行って応援していたアーティストがメジャーデビューしたら、自慢したりお勧めしたりしないだろうか。この感覚である。
図では黄色い光線()で表現しているが、この一連のエコシステムができることによって持続的に人が流れ込み、コミュニティが盛り上がりを見せるのである。

武道家もこの体系化がなされていた

まさしく武道家は先代から愛されてきた実績をもとに、入学時点からその存在を知らされ、サークルで先輩に連れて行かれ、自らがその伝道師となる。無敵の仕組みである。

一方でこの無敵さが「うちわ」の悪い側面を生み出す誘因となったのかなと考えている。

「開放的うちわ」と「排他的うちわ」

うちわには二面性があるなと感じていて、今勝手ながら名前をつけた。

一つ目は「開放的うちわ」について。
「うちわ」の流れは途中までは一緒だ。先ほど拙劣な図で示したように、カルチャーが表に出ることによって人が流れるとしよう。カルチャー内は、共通言語や相互理解がなされていて、新参者はこのコンテクストを理解できない。
ここで開放的うちわの雰囲気が作られているコミュニティは、新参者の存在を嫌がらないし、バカにしない。

一方で「排他的うちわ」の状態は違う。新しく入ってきた人に対し、カルチャー内にいる人と同等の扱いをしてしまう。しきたりがわからなければ嘲笑し、共通言語が通じなければ無視する。これは、飲食店のようにキャパシティが決まっていて、これ以上のスケールを必要としないコミュニティに多く見受けられる。新参者として期待に胸を膨らませながら入った人がこの扱いを受けたらどう感じるか。

武道家は人気グループが陥りがちなこの「排他的うちわ」の状態に近づいていた気がする。もちろん武道家はここまで、はっきりと嘲笑ったり、無視したりということをやるような店ではない。しかし、ここ最近の当店は一部のヘビーユーザーと店員が蜜月になり、誰もついていけない会話に花を咲かせていた。
そんな文脈で
「ッセエええええええいいい!!!wwww」
なんて言われたら、居心地のいいものではないであろう。
炎上問題で次々に放たれたコメントたちからも、皆のこの不満が現れたのだということが見て取れる。

嫌なら来なくていいとはいうけれど

人気飲食店において、客のために変化をしていくことが必ずしも正義ではないことは理解出来る。でも、これは理屈じゃない。せっかくあんなに大きな声を出すならば、ちょっとでも気持ちの良い叫び声になればいいと思うのだ。早稲田生(少なくとも武道家を選ぶ早稲田生)に、魂の叫びを聞いて不快に感じる人はいない。その内容で、叫びが不快に捉えられるなんてもったいない。

こんなうちわ現象が巻き起こる最中、私も肩を竦めて麺をすする一人だ。

今回の騒動に紛れて、美味しくなくなったと言った声も散見されたが、その意見には全く同意しかねる。

武道家はとにかくうまい!それに、早稲田生と密着したあの雰囲気、バンカラの権化みたいなあの叫び声、白Tしか着ない私にそっと紙エプロンをくれる店長。好きだ。埋め合わせで言っているのではない。

だから、ちょっとだけ「開放的うちわ」に戻してくれないかな。以上エゴ

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